試合レポート(3)
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石崎 一平 |
今年も7月6日から8日まで、笠松運動公園陸上競技場で茨城県選手権が開催されました。普段は年代別に行われることの多い陸上の試合ですが、この選手権は中学生から一般までが同じ土俵で戦うという、その年の「茨城一」を決める試合です。 私は今回、4×400mリレー(以下、マイル)、十種競技、走り幅跳びにエントリーしていました。開催日は十種競技が金曜・土曜、マイル予選・幅跳びが土曜。私のメイン種目は十種ですが、金曜に休みが取れなかった場合の保険ということでサブ種目の幅跳びにもエントリーしておきました。 そして私の中での優先順位はとにかく「マイル」>「十種」。というのも、右脚に違和感があって、十種をフルパワーでやりきることは難しいと思っていたからです。それよりも、昨年惜しくも決勝進出を逃したマイルで「今年こそは!」と闘志を燃やしていました。400m1本なら多少脚に違和感があろうと走れるはず。 タイムテーブル上も、マイルと十種を両立させることは難しい状況でした。 《15:55 マイル予選》 《16:30 十種1500m》 全力で400mを走って数十分後に1500mなんて、記録を狙おうとしても到底無理な話です。 十種はそこそこやって関東行きを確実にしておき、マイルに全力を注ぎ込んで決勝進出、最後の1500mは余力で走り切るだけ…これが試合前の青写真でした。 ところが自分でもびっくり! 十種の最初の種目、100mで(無事休みは取れました)自己ベストの11″22が出たのです! 近田さんからのアドバイスで足の接地を開き気味にするスタートが決まったのか、横で見ていた星野監督いわく「最初の20mがすごい!」。『チカダッシュ』おそるべし! その後の種目もかなりいいペース。右脚の違和感が消えたわけではなかったのですが、予想外に体がキレていました。そして思いがけず6700点=日本選手権の参加標準記録が目の前にちらつき始めることになったのです。 しかし、前述したようにマイルと十種を全力で両立することはできない状況。 マイルを取れば6700はまず無理。 十種を取ればもしかしたら6700に手が届くかもしれないが確率は五分かそれ以下、しかも賭けていたマイルには出られない…究極の選択です! 頭の中で「俺サミット」開催。⇒ 8種目めの棒高跳びで「4m00を跳べたらマイルを捨てて十種」ということに決定! リレーでは前もって走順を本部に申告しなくてはいけないので直前まで待ってはいられないという時間的制約、さらに棒高跳びで4m00を跳べなければどうせ6700は望めない(裏を返せば、跳べると6700も見えてくる)という記録的制約を考慮しての判断でした。 そして迎えた4m00は見事にクリア!…したまではよかったんですが、なんとこの跳躍で左脚を負傷(泣)。右脚にばかり気を遣っていたので、まさかという感じ。どのみちマイルを走るのは無理な状況になってしまいました。 重傷ではなかったのでその後も十種は続けましたが、最終結果は6617点。残った2種目、やり投げと1500mにもケガの影響がなかったとは言い切れませんが、それよりも棒高跳びで次の高さに挑戦できなかったのが痛かった! ここで4m10か20を跳んで得点を稼げていればその後の展開は違っていたはずですが、後悔先に立たず。4m00の試技自体にはまだ余裕があっただけに余計悔やまれます。 十種競技の記録としてはサードベストでしたが、順位は2位とこちらも悔しい結果となりました。 |
実はこのケガには伏線がありまして。午前中、十種の他に単品の走り幅跳びにも出ていました。理由は「観客の手拍子をもらってのジャンプ」がやりたかったから。なんともいえず快感なんです、コレ。ただ、脚への負担が余計にかかったことは否めません。十種に出ることができた以上、ただの保険エントリーだった幅跳びに出る必要性はこれっぽっちもなかったのですが、1日目にあんまり体が動くもんで、beingをアピールしたい気持ちも手伝ってつい出来心を起こしてしまいました。いや、でも、やっぱり「手拍子」は気持ちよかったなぁ。 これが問題の走り幅跳び。やめときゃいいのに……。 思うに、十種のほうは中途半端な点数で来てしまったんですよね。6700には到底届かないペースで来ていたなら、負傷するほど出力を上げることもなく、予定通りマイルの予選を走っていたはずです。 ところが思いがけず出来が良かったのに乗じて上を狙ってしまったために、ケガをし、マイルも走れず、そして6700も取れずの悪循環。どうせ上を狙うなら、やはり単品の幅跳びには出ないのが得策でした。うかつでした…。 このように試合運びには失敗した面もあったのですが、もともと6700を狙えるコンディションではないと思っていたので、実際十種に関してはほとんどショックはありません。細かくは書きませんでしたが、新しく試して使えるめどが立った技術などもあり、むしろ満足感があると言ってもいいぐらいです。 それよりも後悔しているのはマイルを走れなかったこと。記録が良かったのでついつい6700を意識してしまいましたが、「どうせ狙っていなかったから」と早々に割り切ってマイルを走る、という選択肢もあったはず。今となってはそれが正解だったかな? そのマイルはリレー部の精鋭たち=三浦さん・桑原さん・星野さん・山口さんに託しましたが、残念ながら今年も予選敗退。自分が走っていたらどういう展開になっただろう…ともかく、リベンジは来年におあずけです! どうも話がまとまりませんが、それぐらい感情の針がいろんな方向へ振れる「特濃」な一戦だったということです。トータルでは間違いなくプラス! 年代無差別ガチンコ勝負はやっぱりヒリヒリしますね〜。マイルの応援も相当ドキドキ。たかだか県レベルの試合と言ってしまえばそれまでですが、自然と熱のこもるビッグゲームだな、とあらためて実感しました。そして、11種はやっぱり無理かも(笑) 自分のことばかり書いてきてしまいましたが、入賞者も多数輩出し、チームのアピールは十分できたと思います。みんないい顔してましたし。 来年はいよいよ横断幕を掲げましょうか!? |
いしざき いっぺい |
(2007/7/24 update)